MIYUKI IGARASHI
五十嵐美幸
卒業校 :農業高等学校(全日制)
卒業学科:食品製造科(現 食品科学科)
卒業年 :1993年
職業 :美虎(みゆ)オーナーシェフ
子どもの頃から実家のお店を手伝い、料理の世界に進む事を目標に農業高校に進んだ五十嵐さん。
若くして中華料理のシェフとして都内の人気店を経営し、トップランナーであり続ける。五十嵐さんがプロになる覚悟を持って、学んだ高校生活とは。
五十嵐さんのこれまでの歩みと現在を教えてください。
料理界で様々な活躍をする、中華料理の「鉄人」
父親が営む中華料理店(世田谷区)「広味坊」を、小学1年生の頃から手伝い始め、高校卒業後正式に厨房に入り、21歳で料理長に就任。
1997 年(22 歳)当時最年少で、フジテレビ系料理対決番組「料理の鉄人」に出演後、様々なメディアに出演。
飲食店の経営、飲食店プロデュース
料理開発、料理教室講師料理学校特別講師
テレビ・Web・他メディア出演
食品メーカー顧問地方自治体食プロジェクト参画
企業プロジェクトの参画など様々な活動を行っています。
農業高校に進まれたのは、どのようなことからでしょうか。
家業の中華料理店と深く結びついて、専門的なことを学ぶことができる魅力
食品製造を中心にしている事が、自分の父の店とリンクしていたので、進んで興味を持つことができました。
それぞれの専門的な事を学べるというのは、技術を得ることになって、とても素晴らしい魅力です。
学生生活ではどのような思い出がありますか。
実践的に作る・売る経験。今でも同級生と切磋琢磨する得難い関係。
文化祭で、ジャムやクッキーなどを作って、作ったものを売るというイベントを通じて、自分が作ったものを売る楽しさや、嬉しさを学びました。
飲食業を目指した仲間が同級生にいることが、今でも大きなモチベーションに繋がっています。
学生時代を共に過ごした者たちが、多く同じ職業について、 切磋琢磨しているというのはなかなか得難い宝であると思います。
農業高校に進んだ決定的なことはありますか。
子供のころからお店で料理を手伝い、プロとなるために進学した農業高校
実家の中華料理店を子供のころから手伝い続け、手先が器用で、作る事が好きでした。肉まんを握ったり、餃子を握ったりは小学校高学年で、エビを何百尾もむいたりする事も中学生くらいからやっていました。
その時に、初めて料理人を目指すという事、それがプロとしてお金を頂いて職業になるという事を意識して、この思いをもっと具現化させることのできる学校は無いのかと思いその高校を選ぶ一つのきっかけになりました。
将来の夢に向け高校で学んだこと
食品を生み出すことの大変さを改めて体験
製造機器や、製造工程などについて学びました。食品を生み出すことの大変さを、身をもって学ぶことができました。
これから五十嵐さんが目指す食の世界はどのようなものでしょうか。
女性目線の発想で料理を提案、日本人の未来の味覚を守っていきたい
私にとって料理とは“人生”です。
食材を味わうこと、美味しいものを食べたときの幸福感。美味しい料理がある空間や時間の全てが愛おしく、そして何よりも料理を作ることが大好きです。
モットーは「野菜を多く使うこと」「食材本来の旨味を生かすこと」「四季を感じる料理を作ること」そして、中国料理の医食同源(日常のバランスの取れた美味しい食事をとることで病気を予防・治療できる、という考え方)という思想、食の大切さに拘って、様々な料理を提案していきたいと考えています。
これからも、女性としての目のつけ所や発想を生かしながら、多くの料理を提案していきたいと思っています。
同時に、料理教室や様々なプロジェクトを通じて、料理を作る楽しさ・味わう楽しさを皆さんに伝えていけたら幸せです。食の世界も世界の大きな変化に合わせて、色々な所で求められている形が変わってきていると思います。
食を通して、未来の味覚を守る。日本人の味覚の素晴らしさを守る活動を行っていけたらと思っています。
農業高校に向いている人は。
興味を持って、積極的に学びに向き合うことが、実習の多い学校では大切
何事にも積極的に取り組む事が出来る人が、向いていると思います。教室だけの勉強だけでなく、様々な実習を通して自らの身体を動かして様々な事を経験していくからです。それはやはりある一定の積極さが求められると思います。
受け身ではなく、攻めの姿勢で様々な学びに向き合う事が、実習の多い学校ではとても大切な事だと思います。将来飲食業に興味がある人は、特にお勧めです。
母校の在学生や都立高校の入学を志望する中学生へのメッセージ
日本のすばらしい「宝」を見つけて、守るための「宝探し」の学び
日本はまだまだたくさん素晴らしいものがある国です。
私は食を通して、この日本の食材や文化の素晴らしさを伝えて行きたいと思っています。
皆さんも、日本にあるたくさんの宝を見つけどれを守っていけるのか、それを探す為の学びを深めていって下さい。