卒業生インタビュー

Interview#04

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RYUICHI HARASHIMA

原島竜一

卒業校 :多摩工科高等学校 (全日制)
卒業学科:機械科
卒業年 :2006年
職業  :自動車用シートの設計&開発

空手、そして今に繋がる仕事の出会いがあった原島さん。
人生で大切な仕事と仲間を高校生活から得て社会に飛び出しました。
入学時に選んだ道が「絶対」ではない。在学中に大きく変わった経験とは?

原島さんのお仕事について教えてください。

自動車のシートを設計・開発を手掛け、有名な自動車の開発にも携わる。海外でも活躍し、人との縁が広がる。

現在はタチエスという、自動車のシートメーカーで設計と開発に携わっています。CADを使った仕事に興味があり、現在の会社の子会社への入社を経て、2006年からこの業種に携わっています。

入社当時は日産のスカイラインクーペに、2011年頃からは日産ノートのシート開発に携わりました。 2019年からは、ベトナムにあるグループ会社へ約2年半現地の設計者教育を目的に出向しました。

様々な経験を通して多くの人と出会い出会いから人生を豊かにすることを学んできました。その為、私は人との縁を大切にすることを心がけています。

多摩工科高校の特色や魅力はどんなことでしょう?

ものづくりにつながる「鍛造」の実習と「資格」の取得。機械科での貴重な体験と身についた知識と自信。

在籍した機械科の魅力を2つあげたいと思います。

1つ目は機械科ならではの実習で特に「鍛造」です。
鍛造実習で私の在学時はS字フックを作りました。真っ直ぐの鉄棒を熱し、ハンマーで叩きさらに熱することを繰り返し轟々と燃えるコークスの前に立つことが熱くて大変な実習でしたが「機械科に入って良かったな」と思える貴重な体験ができました。

2つ目は資格です。
機械科ではガス溶接、アーク溶接、小型車両系建設機械など、在学中に多くの資格を取得できます。私の場合は、上記のうちアーク溶接以外は在学時に取得致しました。直接仕事に使わなくとも、知識として活用できる内容もあり、製造業や土木・建設業など就職の幅が広がり就活時期の安心感に繋がったと思います。

学生生活での思い出はどんなことでしょうか?

入部時は関心が薄かった空手。厳しい稽古と友人との交流で楽しく、同級生とは今でも交流が続いている。

空手道部での活動が1番の思い出です。入部のきっかけは、中学の友人に誘われ関心は薄かったのですが一緒に入部しました。

いざ始めると、平日の稽古で足の裏にマメができ週末は筋肉痛で、辛い日々が続きました。合宿は厳しい特別稽古メニューで、半日で尋常ではない量の汗をかき、昼休憩に濡れた空手衣を鉄棒などに掛けて干したのも懐かしい思い出です。
ご指導頂く先生や先輩方が、厳しい中にも楽しさを作ることが上手く、なんだかんだ毎日稽古に足を運びました。

また夏休みには他の部活の同級生とそれぞれ稽古後に、剣道部とプール体力トレーニングをしたり、友人の家に遊びに行ったりなどで仲を深め、最終学年では部長として部活に関わらせて頂きました。3年間の日々を共に過ごした同級生と今でも遊ぶ仲は続いています。

進路決定のきっかけとなった出来事について教えてください。

実習で関心を持ったCADに関する仕事。設立間もない会社だからこそ持つことができたやりがい。

入学前から「就職する」という意思は固まっていました。
高校3年生、会社見学の希望を出すタイミングで空手部の先輩が働く鋳造の会社や、授業で見学に行った会社、「CAD」を扱う仕事など今までの実習の中で関心があったことを中心に進路指導室の先生に相談しました。

縁があって、今勤めている会社の子会社を紹介して頂き見学に行くことになりました。
当時は出来てまだ2年ほどの会社でしたが、卒業生も働いており、CADを使った仕事の立ち上げに関わることができる「若い会社」という点にとてもワクワクしました。「卒業生も働いている」という安心感と、社長の人柄も魅力に感じ、ご縁があって採用頂き今に至っています。
※2014年に現在の(株)タチエスへ転籍

将来の夢に向け多摩工科高校で学んだことありますか?

機械科での経験を活かして今でも自ら試作品づくり。何事にも挑戦する姿勢を学んだことも大きな財産。

現在の仕事は、CADを使ったデスクワークですが、入社当時から工場のイメージに近い溶接や板金加工をする試作品を作る部署にたまに足を運びディスクサンダーや卓上ボール盤、コンターマシンなどを借りて自分で試作品を作成したり加工したりする事があります。

学校の授業では様々な機械の操作や、危険について教わり、実際に機械に触ってきた為、その経験を生かして機械を怖がらずに使えていると思っています。
会社の機械を使う際は今でも安全に注意しながら、操作をするようにしています。

在学中は部長や文化祭の実行委員なども経験し、何事にも挑戦する姿勢を学びました。逆にもっと、真剣に授業を受ければよかったなと後悔している内容は多々あります。
例えば英語の授業が挙げられます。海外で仕事もしましたが、歳をとってから勉強しようとすると学習効率が落ちているように感じることがあり国内でも仕事で英語を使うことから学生時代の勉強不足を悔いています。

原島さんのこれからの夢やビジョンを教えてください。

もう一度海外で仕事をするためスキル・知識の向上を。地元や母校に協力・貢献していきたい。

現在の夢は、仕事とプライベートで2つあります。

仕事では、また海外で仕事をすることです。私は2年以上、ベトナムに駐在していました。仕事や生活で大変でしたが、それ以上に現地のスタッフとの交流や文化や思想の違いを感じてとても刺激的でした。 再びの海外赴任に向け、日々の業務の中でスキル、知識を高め、情報を吸収し語学にも磨きをかけたいと思います。

また、国内にいる間プライベートでは地元への恩返しとして、地域のボランティア団体に所属し地域の活性化や、社会問題解決に取り組んでいます。
その一環として、母校の在校生や学校の為に協力・貢献できることがないか、先生と連携をとりながら模索していきたいと思っています。

多摩工科高校に向いている人物像は? 

好奇心が旺盛で就職したい人は是非多摩工科へ!選択肢も広がります!

人物像として3つイメージがあります。

1. 好奇心旺盛な性格の人。普通科ではない、ものづくりの経験や資格取得が出来るので好奇心を満たしてくれると思います。

2. 早く就職したい!と考えている人です。
私は中学生の頃からそう考え、母校を選びました。就職の内定率が高く、学校斡旋の企業では内定率が100%です。

3. 自身がものづくりに向いてるのか、分からないという人です。
3年間実際に機械などを触り、ものづくりをする中で仕事にすることが向いているかを判断できる環境も整っています。機械科からアパレル関係の企業に就職した人環境化学科の友人で、刀鍛冶になった人。必ずしも学科とその先の仕事がイコールでありません。入学して色々と経験し、卒業後の進路を考えても良いと思います。

これから多摩工科高校に進もうという中学生に
メッセージをお願いします。

学生生活は貴重な時間!大切な時間をどう使うかは自分次第!

高校生活について3つお伝えしたいことがあります。

1. 勉強は楽しんで取り組んでください!
授業が楽しくない時は、楽しみ方を先生に聞いてみてください!
つまらなく黙々とやったり、試験直前に一夜漬けして凌ぐこともできますが私の体験では大人になってから勉強し直す事になります。

2. 部活も行事も全力で取り組んでください!
全力で取り組んだ時間は、卒業後に自信になり同じ時間を共有した友人と数年後、十数年後でも楽しい思い出として話題になる時があります。

3. 授業の枠を超えてやってみたいことがあれば、身近な先生に相談してください。
学校だけでは叶えられないことも、多くの卒業生が力になってくれると思います。

当たり前ですが、一度きりの高校生活ですので悔いのないように全力で楽しんでください。