卒業生インタビュー

Interview#06

福島大樹さんのインタビュー トップ画像

DAIKI FUKUSHIMA

福島大樹

卒業校:青梅総合高等学校(全日制)
卒業学科:総合学科
卒業年:2013年
職業:公務員

梅の里青梅で育ち、青梅総合高校で学び青梅市役所で働く福島さん。
進む道は、都立高校での学びと地元で起きた事件で明確になりました。
地元・青梅への強い思いが感じられるインタビューです。

福島さんのプロフィールを教えてください

地元に貢献したいという思いから、市役所で働く

現在は地元の青梅市役所で、日々市民の方々のために業務を行っています。

高校時代に感じた「何か地元のためにできないか」という思いから現在の仕事につき、日々の業務にやりがいを感じています。

ご出身の都立青梅総合高校の特色や魅力は何でしょうか?

様々な分野を能動的に学ぶ単位制の総合学科。他校では学べない実習が魅力。

総合学科であることが1番の特色だと思います。

様々な分野の授業や設備があり、興味があることを探究したり、新たな関心ごとにチャレンジできる環境があることが魅力です。単位制なので、様々な授業から自分で時間割をつくるので能動的に学ぶことができました。

特に印象に残っているのは、農業や林業、製菓などの食品関係や保育関係など座学だけでなく実習も交えた授業です。私が受けていた農業関係の授業は、学校の畑での野菜や果樹の収穫はもちろん、加工品の製作や稲作も行いました。林業の授業では所有している山林で間伐などを行い、農機具の取り扱いの資格を取得することもできました。

このように、他の学校では学べない範囲のことを、高校生のうちに学べることはとても魅力だと思います。 また、私の代が5期生と新しい学校だったので校舎や設備も新しく整っていたのも魅力的でした。

福島さんの高校生活には、どんな思い出があるでしょうか?

バンドとライブで経験したことが学びに。今でも音楽を趣味として続けている。

高校時代は軽音楽部で、バンド活動に熱中していました。

都大会でグランプリを取るなど実績ある軽音学部に入部することが、志望理由の一つでした。校内や近隣のライブハウスでのライブや、大会に出場する活動を積極的に行いました。

ライブハウスでのライブは月に複数回行っていたので、今思うと大変でしたが、バンド活動をするために資金を集めることの大変さや、ライブで人を集客する難しさを体験しました。また、イベントを企画して実行することの難しさや達成感、やりがいなど沢山のことを学びました。

高校時代から音楽ライブやフェスに行き、地方ではライブと併せて観光するなど、現在も趣味として活動を継続しています。

福島さんの進路を決定するきっかけとなった出来事などを教えてください。

学ぶ中で見つけた農業への興味。さらに梅の木が地元から無くなった出来事から、農業関係の大学進学へ。

高校入学当初は、特に明確にやりたいことや将来の夢などはありませんでした。

初めは大学進学などは考えておらず、卒業後は就職を希望していました。 目標がない中で、様々な選択授業を選ぶことを最初はとても難しく感じましたが、少しでも興味を持った授業を実際に受ける中で、農業関係に興味を持ちました。

また、同時期に「ウメ輪紋ウイルス」という植物に感染するウイルス性の病気があるのですが、梅への感染が青梅市で世界初として確認され、母校の梅の木は全て、市内の梅の木の大半が伐採処分されました(梅以外への感染は過去にもありましたが、梅に(自然)感染したのが世界ではじめてでした)。梅が農業や観光の中心で、名前の由来でもある青梅は、とても大きな被害を受けることとなりました。

小学校生の頃から授業で梅について学び、地元では「梅まつり」もあり、幼い頃から慣れ親しんだ梅の木が市内から突如無くなってしまった状況を目の当たりにし、なにか自分にもできることはないかと漠然と思うようになりました。
このようなことから、農業関係の大学への進学を志望するようになりました。

将来の夢に向けて高校生活で学んだことはありますか?

地元の問題に関する自主的な実験から学び、島しょでの体験から自然・環境への問題意識が芽生える。

ウイルスの被害を受けた地元の状況から、農業を学ぶ中で植物病理学の分野に興味を持ちました。

青梅総合には珍しい植物の無菌操作を行うことのできる実験室があり、3年次に担任の先生に協力して頂き、植物病理学の実験を自主的に行いました。ウイルスに罹病した植物からウイルスフリーの苗を作るという実験でした。

また夏休み等を利用し、三宅島の緑化プロジェクトや小笠原諸島での農業自然体験に参加しました。 中でも小笠原諸島での農業や自然環境の体験活動は特に思い出に残っています。

ウミガメの保護活動の際には自然や環境問題への問題意識が芽生えより一層農業への関心が高まりました。

高校卒業後はどのようなことをしてきましたか?また今思うことは?

植物病理学を学び続け、地元青梅の再生に携わる市と市民のための仕事にやりがいを実感している。

高校での経験から、大学では引き続き植物病理学について学び、ウメ輪紋ウイルスの研究を行いました。

その後、地元市役所に就職し、最初の配属先が 「梅の里再生担当」という部署でした。ウメ輪紋ウイルスにより特に大きな被害を受けた吉野梅郷地区を中心に、検査対象となる全ての木の感染状況の調査や感染中の伐採、感染源への対策等を行いました。梅の再植栽も行われ、その結果、現在では市内に梅を取り戻すことができました。

市内で生まれ育ち、梅の伐採を目の当たりにし、復興にまで携われたのは、地元に貢献できるとても貴重な経験であるとともに、母校できっかけと学びがあったからと感じます。

現在は職員課という部署で人事の業務を行っています。 市役所の仕事は、農業や観光、税関係、福祉やこども関係などとても多岐に渡ります。どれでも共通するのは、市民のための仕事ということです。

高校時代に感じた「何か自分にできることはないか」という思いを地元に還元できていると実感し、とてもやりがいを感じています。

青梅総合高校に向いている人はどんな人でしょう?また学校を選ぶポイントは?

興味関心のある学びを伸ばしたい人と、やりたいことを探している人の両方に向いている学校

まだ明確にやりたいことがない方や学びたい分野が見つかっていない人は、興味のあるものを見つけることができます。
多くの選択肢から自主性と責任感で自分で授業を選択し、少しでも関心の持てるものが出てきたり、きっかけとなる機会が多くあります。 またそれを突き詰めていく設備や環境、機会も用意されています。

また、やりたいことや学びたい分野が明確にあり、その分野の授業が青梅総合高校にある方も青梅総合高に向いていると考えています。
普通の高校にはない授業がたくさんあり、設備も整い実習もあります。特に実習では実際に体験することで、座学だけでは見えない気づきや学びをたくさん得ることができると思います。

興味のあることへの学びを伸ばしたい人と、私のようにやりたいことを探している人の両方に向いている学校であると考えます。

都立高校の入学を志望する中学生へのメッセージをください。

青梅総合高校ならではの授業・設備から興味・関心を広げる。チャレンジして可能性を広げよう。

他の高校では経験出来ないようなことを経験できる機会が青梅総合高校は沢山あります。他の学校にはない授業や充実した設備を利用して興味や関心を伸ばすことも可能です。

青梅総合高校ならではの経験をどんどん積んでもらいたいです。

私は学校生活での出会いや経験を通じて、少しでも興味を持ったことにはチャレンジしてみようと思うようになりました。とにかく興味あることには手を伸ばして、後悔のない学校生活を送ってもらいたいです。

これから高校を選択する中学生は、いろいろ悩むこともあるかと思いますが、青梅総合高校は自身の可能性を広げることが出来る学校だと思います。