YUUNA WATANABE
渡邉優奈
卒業校 :戸山高等学校(全日制)
卒業学科:普通科(チーム・メディカル)
卒業年 :2017年
職業 :医師
「地域の頼れるお医者さん」に憧れ、医師を志すようになった渡邊さん。
戸山高校で得た自主自立の精神を支えに、夢を叶え、医師として働き始めました。忙しい中でも笑顔を絶やさず日々研鑽を積んでいる渡邊さんに、お話を伺いました。
初期研修の様子
渡邊さんの今の生活について教えてください。
今年の3月に初期研修を修了し、現在は総合診療科の専攻医1年目として勤務をしています。自身の外来を持ち始めるなど責任も増し、身が引き締まる部分はありますが、主治医として患者さんに関われることにやりがいも感じています。
(高校時代に戻り)ご出身の都立戸山高校の特色や魅力は何でしょうか?
戸山高校での生活を振り返ってみて、ぱっと思い浮かぶキーワードは「自由」だと思います。戸山高校は「自主自立」を校風としており、校則や制服がありません。文系・理系クラスに分かれることもなく、理科・社会も制限なく全ての分野を学びます。また、部活動も卒業年度まで行うことができます。そうした環境の中で、それぞれの生徒が自身のやりたいことを追求したり、それぞれ自分に合った過ごし方で過ごしていたように思います。
また、切磋琢磨できる同級生がたくさんいたことや、生徒のやる気に答え、バックアップして下さる熱意ある先生方も多くいらっしゃったことが、自身の受験を支えてくれたと感じます。現在の状況は分かりませんが、在籍当時は図書室と2つの自習室が夜20時まで開いており、学習環境が充実していたことも魅力でした。
高校時代の思い出の写真
高校生活にはどんな思い出があるでしょうか?
1番思い出深いのは部活です。高校時代はバドミントン部に所属しており、毎日練習に励んでいました。週6日活動がある中で残りの1日も地元の体育館に行って自主練をするなど、部活を第一優先にして生活を送っていたように思います。目に見える結果は残せませんでしたが、学生時代にそれだけ何かにのめり込んで努力をしたという経験が、その後も自分を支えてくれたと感じています。
また、戸山高校には制服も下校時の制限もなかったため、学校の授業や部活帰りに友達と美味しいものを食べて喋ったり、イルミネーションを見に少し遠出したり、と高校生らしい楽しい思い出も残っています。楽しかったこととして思い出すのは意外とたわいもないことばかりですが、あの当時しか感じられなかった楽しさがあったなと思います。
勉強の方法など高校在学中に何か心がけていたことはありますか?
高校生活の思い出の項に記載した通り、基本的には部活を最優先にしていたので時間が足りない部分は多々ありました。(高3の6月に部活を引退するまで、塾にも通いませんでした)ただ、その分、授業をしっかり受ける、授業の予習と課題だけはやり切る、ということだけは自分の中で決めていました。部活で疲れて帰ってきた後は勉強にならないので、22時半に寝て4時台に起きて予習・課題をするなど、朝の時間を活用していたということは独自のスタイルだったかもしれません。
また、大学受験の模試や過去問に取り組み始めてからは全教科やり直しノートを作るようにしました。そこからなかなか点数が伸びなかった教科が伸び始めたことを覚えています。
チーム・メディカルに向いている人はどんな人でしょうか?
チーム・メディカルの良いところは、「色々な情報が入ってくる」「同じ目標を持っている生徒と顔を合わせることができる」という2点かなと思います。私はちょうどチーム・メディカルができた年が卒業年度だったので、実際の活動の詳細は分からないのですが、低学年のうちから受験の情報や医師の業務の実体験談などを聞ける機会があると伺い、羨ましいなと感じました。
そういった点を踏まえると、「医学部を目指していて様々な情報が欲しい人」「同じ志を持つ同期と切磋琢磨したい人」、そして「まだ医師を目指すか迷っていて、判断材料が欲しい人」なんかもチーム・メディカルに向いているんじゃないかなと思います。
大学時代の思い出
高校で学んだこと、身に付けたことが、今の生活で活かされているなと思うことはありますか?
6年間の医学部生活と初期研修を終え、専攻医となった今思い返しても、高校時代の日々は目まぐるしかったなと思います。私の高校生活は「部活と勉強!」という感じで、言葉にするとあまり面白味のないものになってしまいましたが、部活にしても受験勉強にしても、「あそこまでの努力はもう二度とできない」と感じるのが正直なところです。
高校時代独特の熱量とエネルギーがあったからこそできたことなのかもしれませんが、「あの日々を乗り越えられたんだからきっと大丈夫」「あれだけ努力できたんだから今回もきっとできる」と、今でも高校生の日々を思い出して自分に喝を入れることがあります。
多忙な中でも笑顔で
今後の目標や夢について、教えてください。
まずはこの4年で総合診療専門医・家庭医療専門医を取得し、患者さんの主治医として少しでも自信を持って診療できるようになるのが目下の目標です。
私は「地域の頼れるお医者さん」になるのが夢で医師を目指したので、一般内科診療以外にも、基本的な小児診療、思春期の問題、ウィメンズヘルス、在宅医療や緩和医療などの知識も身につけたいと思い、現在の専門研修プログラムに進みました。地域の方が何か困ったことや不安なことがあった時、「この先生になら相談してみても良いかな」と思い浮かべてもらえるような存在になること、それが今の自分にとって最大の目標です。
戸山高校でのオンライン講演会の様子
最後に都立高校(戸山高校)を志望する中学生へのメッセージをください。
都立高校全般に言えることなのかもしれませんが、その中でも戸山高校は特に自由で制限されることのない校風だと思います。やりたいことが決まっている人はとことん追求できると思いますし、やりたいことがまだ決まっていない人も、周りの生徒を見たり様々なものに触れたりしながら、自分に合ったもの・興味があることを見つけていきやすい環境なのかなと思います。
もしこの文章を読んで戸山高校に行きたい!という気持ちが大きくなってくれたのなら嬉しいですが、受験勉強は大変だと思いますし、中学生の時期は身体と気持ちのバランスが難しい時期だと思うので、まずは無理をしすぎず自分を大切に過ごしてほしいなと思います。皆さんのこれからを応援しています!